「動物病院での愛犬の健康診断の内容は?」
「健康診断でかかる費用は?」
愛犬の健康維持のためにも、定期的に獣医師に診てもらうことは大切だとわかってはいるものの、やはり気になるのが、そのお財布事情や愛犬に受けてもらう診察の種類ではないでしょうか。
果たしていくらくらいかかるのか、さらにどんな内容で愛犬の体や気持ちに負担はないのかなど、気になる犬の健康診断についてまとめました。
この記事の目次
犬の健康診断とは?健康診断の基本情報まとめ
人間が健康維持のためや病気の早期発見のために健康診断を受けるように、犬にも健康診断があり、健康と病気リスク軽減のために欠かせないものとなっています。
最近では犬の寿命が長くなっている傾向にある中では、健康診断が果たす役割はとても大きいと言えるでしょう。
では犬の健康診断とはいったいどのような内容で、種類や費用はどうなっているのでしょうか。
健康診断を受けるタイミングは?いつ受けたらいいの?
健康診断は年齢によって、それぞれ年間で受ける回数やタイミングが異なるため、その費用もまちまちです。
犬の年齢別にいつ健康診断を、何回くらい受けたらよいのかは以下を参考にしてみて下さい。
生後半年くらいまで
1か月に1回の受診が望ましいといえます。
比較的頻繁に受診しなければならないため、ワクチン接種のたびに健康診断をついでに受けるという方法がおすすめです。
子犬の時期にしっかりと受診しておくことで、幼い時期に症状が出やすい先天性の病気などについても早期発見が可能になります。
また、まめに診断していれば、他の病気のリスクも早めに見つけることができ、治療を早く始めることで改善解消の見込みがアップします。
生後5~6年
ベストは一年に一度、年齢とともに衰えやすくなる関節チェックや肥満度なども受けると安心です。
犬の一年は人間の5~7年とも言われています。
そのため、1年に1回の健康診断だったとしても、犬にとってはかなりスパンの長い受診ということになります。
人間に置き換えると、5年~7年に一度しか健康診断を受けないという事です。
そのため大切なことは、毎年しっかりと受診する、さらに何か気になる点があれば早急に獣医師に診察してもらうということです。
7歳上のシニア
シニア期になったら、半年に一度は健康診断を受けたいものです。
癌や臓器異常、関節痛やヘルニアなど、年齢を重ねるごとに病気のリスクが高まりますし、眼や耳も悪くなってくる頃ですので、全身状態をしっかりと把握し、少しでも健康寿命を延ばしてあげるようにしましょう。
健康診断の基本的な種類と内容は?
健康診断には基本的な種類と、オプションでそれぞれの愛犬の症状によって異なる検査などがあります。
どのような内容の検査をしたか、どんな種類の診察をしたかによって内容も大きく異なります。
一般的な動物病院で受ける、健康診断の基本的な種類と内容は主に以下のような項目があります。
基本身体検査
肥満度や歯の状態、耳や皮膚などの目視確認、体温測定と心音の確認という内容になります。
便検査
便を採取して、回虫や原虫類の有無、寄生虫や消化器官系の健康状態を確認します。
尿検査
尿路結石や腎機能の状況を把握します。特に雄犬は尿路結石が出やすいので雄の場合には、基本検査に含まれていることも多いです。
血液検査
赤血球と白血球の量や血液中のさまざまな数値を、正常値と比較して健康状態をみます。数値によってどこにどのような異常があるかある程度分かります。
血液生化学検査
血中たんぱく質、糖質などの量から内臓機能の働きを確認します。
レントゲン
骨折、脱臼、関節以上や腹水、胸水の有無、消化器内に異物が入っていないかどうかを見る検査です。
心電図
不整脈や心臓病の疾患を確認します。持病があったり、老犬などは心電図を計測することも多いです。
胸部エコー
心臓の状態をエコーで造影し、働きや動き、フィラリアの成虫の有無を確認します。
腹部エコー
腹部の臓器全体の状態をみる造影検査です。腹水や胸水の有無を確認します。
健康診断の項目にかかる各種費用の相場は?
動物病院での健康診断は、まずは基本的なものをベースにしていろいろな検査をプラスしていくようになります。
そのため、付帯する検査や項目によって総費用が異なります。
基本的な診断内容と、それにプラスするオプションは以下のような内容と価格になっていることが多いでしょう。
健康診断の項目 |
費用の相場 |
基本的な健康診断 | 8000~9000円 |
便検査 | 700~1000円 |
尿検査 | 1000~1500円 |
血液検査 | 1000~2000円 |
血液生化学検査 | 5000~7000円 |
レントゲン | 3000~4000円 |
心電図、腹部エコー、胸部エコーなど | 2500~4000円 |
動物病院の健康診断はセット型、その内容や金額は?
動物病院では、それぞれの検査や診察を単体で行うのではなく、いくつかの項目をセットにして健康診断としている場合がほとんどです。
組み合わせ方は犬の状態や病院の考え方などによって異なりますが、その主な例と相場金額は以下の通りです。
健康診断のセット項目と内容 | 費用の相場 |
身体検査+尿・便 | 3000~4000円 |
身体検査+血液・尿・便 | 8000~9000円 |
身体検査+血液・尿・便+腹部超音波 | 15000~17000円 |
身体検査+血液・尿・便+腹部超音波+心臓超音波 | 18000~20000円 |
組み合わせ方が動物病院によってそれぞれ異なることはもちろん、犬の年齢や犬種によって獣医師が検査項目を変更することも大いにあります。
郵送で愛犬の健康診断ができる?郵送健康診断とは
動物病院に出向かなくても受けることができる健康診断があるのをご存知でしょうか。
病院嫌い、近所に動物病院がない、車に乗るのが嫌いな愛犬には、メーカーに尿便を送るだけで診断できる方法もおすすめです。
健康診断の項目を増やしたり、診断内容をより精密に調べてほしいなど、検査項目と内容によって値段が変わってきますが、相場としては5000~15000円ほどになるでしょう。
動物病院との組み合わせもおすすめ、一年に一度動物病院で、もう一回郵送診断で半年目に検査を受ければ、犬の健康状態をかなり詳しく把握することができます。
また、セカンドオピニオンとして利用する人も多くなっています。
健康診断のメリットとデメリットは?愛犬や飼い主にとっての健康診断とは
犬に健康診断を受けさせるのは、メリットの方が断然多いと言えるでしょう。
しかしデメリットとしての側面も確かにあるので、自分なりにメリットとデメリット両方を比較しつつ費用対効果の判断をしていきましょう。
健康診断を受けるメリット
愛犬の健康を科学的に後押しできるのは、獣医のもとに愛犬を連れていくことのできる飼い主さんだけです。
そして少々手間と時間がかかり大変でも、健康診断を受けると以下のようなたくさんのメリットがついてきます。
- 早期発見早期治療
- 検査項目に入っていない疾患を見つけることができる
- 診断で異常がなければ安心して暮らしていける
- 健康で長生きしていくことにつながる
デメリットもあるの?
デメリットの問題も確かにあります。
実際に診断を下しているのは人間なので、判断を間違えることもあります。
また、知らない人に触れられることで、気持ちや体に影響を受ける愛犬もいます。
- 犬に精神的負荷をかける
- 誤診、誤陽性、誤陰性など、間違えることもある
- 画像診断などは価格が高くなったり、費用面での負担が大きい
- いつ病院にいくか、どのように連れていくかなどを考える必要がある
犬の健康診断書って何?どんなときに必要なの?
海外旅行に愛犬を連れて行く場合や、ペット保険に加入する場合には、健康診断書の提出が必要となります。
動物病院で発行してもらうことができ、一通1500円~3000円とそれぞれの病院によって値段が異なりますので、健康診断書の発行費用は各動物病院に問い合わせてみましょう。
まとめ
愛犬のためにも健康診断は定期的に受けるべきです。
年齢や犬種に応じて、適切な時期に適切な内容の健康診断を受け、ぜひ愛犬の健康長寿を実現してほしいものです。